【 CL東京ベスト16】
ロストマーチ ~~
builder ポール
posted by ポール
こんにちは!ポールです!
本日は、先日のチャンピオンズリーグ2019東京大会において、シニアリーグベスト16となった僕のロストマーチのレシピを紹介させていただきます。
0.なぜこのデッキを握ったか?
まず、先行におけるロストマーチの理想ムーブを返すことのできるデッキタイプが環境に存在していないと判断した事。
また、完成形のロストマーチというものが存在していない現在、構築次第では対面の相性すらも覆すことが出来るポテンシャルを持っていると考えた事が理由です。
1.コンセプトの決定
環境で見なければいけない仮想敵は、ズガドーンアーゴヨン、ゾロアーク派生、アロキュウ派生、ゼラオラ派生、ロストマーチ(ミラー)であると予想していたため、上記のデッキタイプに対して相性有利を取れることがロストマーチの前提となります。
しかし、練習の段階でロストマーチにはいくつか明確な「弱点」が存在しており、そこを突かれることが敗北に直結することが判明したため、その「弱点」を克服することが第1の目標となりました。
ロストマーチの「弱点」とは、
・後手を取った場合対面の展開速度に追いつけず基本的にサイドを2枚以上先行されてしまう。
・ハネッコを集中的に狙われると打点が伸びなくなってしまう上にアタッカーであるワタッコを作れず、相手のGXを倒せなくなってしまう。
・サイドを先行された状態からゲームが始まるため非GXポケモンを挟まれたり、自分陣地のカプテテフGXを倒されただけでサイドレースに追いつけなくなってしまう。
・ポケモンが多いため事故りやすい。
・そもそもポケモンを落とせない。
という5つの問題。
ロストマーチというデッキタイプを完成させるには、これら全ての問題を解決する必要がありました。
第一に、後手を取った場合の展開速度の弱さについて、ここで問題となるのは、後手1でウツギを打ってハネッコを3体並べることができても、次のターンに引けるドロー枚数はシロナを含めておよそ7枚であるため、相手正面にいるGXポケモンを一撃で倒すには、明らかに必要なカードが多すぎます。
そうなると、少なくとも先2で1枚、先3で2枚のサイドを相手に先行されてしまうため、そこから一度でも非GXポケモンなどを挟まれてしまうとサイドレースで追いつくことがほぼ不可能になってしまいます。
そこで必要になるのが、アローラロコン
なのです。
後攻ターンにウツギからアロコンとハネッコを並べてバトルポケモンを逃してアロコンを前に出しみちしるべをする事で、正面のGXポケモンを倒すために必要なカードの要求枚数が一気に少なくなります。
また、みちしるべからヤレユータンやカプテテフGXに繋げることで事故の回避を可能にし、理論上ハンドのサポートがウツギ1枚しかなくてもアローラロコンスタートかエネルギーが手札に1枚あればそこから事故を起こすことはありません。
また、ロストミキサーとも相性が良く、みちしるべで持ってきたカードをロストミキサーでロストさせることで、打点を大幅にあげながらドローを進めることもできます。
そしてこのデッキの核となっているのが、カウンターキャッチャー
の存在です。
相手が非GXのアタッカーで技を打ってきた場合、そのアタッカーを素直に倒してしまうと、サイドが奇数になってしまい、すでにサイドレースで先行された状態から盤面を捲るのはほぼ不可能になってしまいます。
しかし、後攻3ターン目あたりにGXを倒せるほどのポケモンの量をロストさせながらグズマを打つプレイングをするには、あまりにも運の要素が強すぎてしまい安定しません。
そこで、カウンターキャッチャーを採用することで、ドローを進めながら相手のGXを呼び出すことを可能にし、要求枚数の少ない状態でGXを倒しに行く動きが可能になります。
また、そこまでの展開で相手にサイドを2枚先行されていると過程すると、次のターンにもカウンターキャッチャーを使うことができるため、山にグズマを残した状態でGXポケモンを3体連続で倒す、という動きを実現することができます。
つまり、「展開できるターンが遅いんだから展開し終えたらそこから先は相手に追いつくために最速で試合を決める動きをする」というコンセプトなのです。
そうして出来たデッキレシピがこちら
ポケモン(23枚) | |
---|---|
ワタッコ | 4 |
ポポッコ | 4 |
ハネッコ | 4 |
ケララッパ | 4 |
ネイティ | 3 |
カプ・テテフGX | 2 |
アローラロコン | 1 |
ヤレユータン | 1 |
エネルギー(7枚) | |
---|---|
基本草エネルギー | 4 |
ダブル無色エネルギー | 3 |
サポート(10枚) | |
---|---|
ウツギ博士 | 4 |
シロナ | 4 |
グズマ | 2 |
グッズ(20枚) | |
---|---|
ロストミキサー | 4 |
ハイパーボール | 4 |
ネットボール | 4 |
タイマーボール | 2 |
レスキュータンカ | 2 |
カウンターキャッチャー | 2 |
こだわりハチマキ | 2 |
2.各カードの解説
2ーa.ポケモン枠について
主要ラインは当然全て4枚、ネイティを減らしている理由は、相手の呪いのおふだや、カプコケコなどダメージばら撒き系カードの対策として、ネイティを迂闊にベンチにならべることができないため、アタッカーとして使える最低限の枚数さえあればいいと判断したからです。
カプテテフGXが2枚である理由は、1枚を序盤のウツギ、シロナを打つために、もう1枚を終盤のグズマを打つために使うためです。
また、おまけにて説明しますが、ロストマーチミラーにおいてカプテテフGXでスタートすることが強いという点も評価して多めの2枚採用です。
ロストミキサー、ハイパーボールが4枚ずつ入っているため、ハンドを消費しやすく、山札を掘り進めることができるためヤレユータンはドローエンジンとしての活躍を見越して採用しています。
2ーb.グッズ枠について
展開し終えるターンをより速くするためにロストミキサーを4枚、安定したエネルギー供給、ハネッコの展開のためにネットボールを4枚、ポケモン(特にテテフやヤレユータン)の展開のためにハイパーボールは4枚、初手のウツギに繋げる動きとして最も強いタイマーボールを2枚、狙い撃ちされたハネッコを蘇生しやすくするためにレスキュータンカを2枚、こだわりハチマキは170.190.210ラインを倒すために使用するため2枚、先ほど解説した理由よりカウンターキャッチャーを2枚入れたものが、このデッキのグッズ枠となっています。
2ーc.サポート枠について
シロナ4枚、ウツギ4枚、グズマ2枚という非常にシンプルな構成です。
グズマを減らしているのは、カウンターキャッチャーが擬似的なグズマとして使うことができるため、ドローサポートを減らしているのは、ぶっちゃけた話、「環境にまともなドローサポートがないから」です。
シロナ以外のサポートを入れたところでドロー数が少なく、想定通りの展開を期待することができないため、展開をグッズにまかせて、ヤレユータンでドローを進めていた方が強いと判断しました。
プラターヌ博士が欲しいです。
2ーd.エネルギー枠について
必要最低限、二子玉を減らしている理由はネイティを減らしているため二子玉の消費先が限られているからです。
実践編:ロストマーチで戦う
1.ポケモンを展開する。
ロストマーチの基本中の基本です。
先攻でも後攻でもウツギやボールでポケモン(ハネッコ)を並べましょう。
1.5.サイド落ちの確認
この作業がロストマーチの中で最も難しく、最も重要な作業です。
ドローサポートが少ない都合上、常に手札にある選択肢が狭い状態でプレイをしなければいけないため、サイドから何を取ることができるのか、それによってどのようなゲームプランを目指すのかを常に考えながらプレイしてください。慣れるまで時間はかかりますが、これが出来るようになるだけでロストマーチの練度が大幅に上がると思います。
2.ポケモンを展開して殴る
とにかくたくさんワタッコを作りましょう。相手の呪いのお札やカプコケコを常に警戒しましょう。ネイティを置くタイミングが肝です。また、あえてポポッコをワタッコにさせずに相手のダメージばら撒きを受けることでダメージを実質無効化することができます。そういった小技は常に頭に入れておきましょう。いらないポケモンはガンガンロストに送りましょう。
そこから先は本当にただ技を打つだけです。
特定のメタカードのケアが少ない分、ある意味では夜の行進よりも楽かもしれませんw
おまけ ロストマーチミラーの小技
先に殴った方が勝ちとすら言われる世界で一番不毛な戦い、ロストマーチミラー。実は、あるいくつかの小技を効かせるだけで、先攻後攻に関係なく、ロストマーチミラーを制することができるのです。
1.テテフスタート
ロストマーチミラーにおいては、カプテテフGXを倒されるとサイドを2枚取られてしまいサイドレースに先行されてしまうため、本来ならばカプテテフGXがバトル場でスタートすることは非常に好ましくない状況なのですが、ある特定の条件下では、そのテテフスタートが勝ち筋に繋がることすらあります。
その条件とは
・自分が後攻である
・相手のバトルポケモンがハネッコ、もしくはネイティである
・手札に二子玉を持っている
という3点です。
先行1ターン目、相手はカプテテフを出さないという条件下で盤面を展開しなければいけないため、必然的に動きは理想的な展開よりも少し弱いものになります。
その場合、後攻1ターン目にエナジードライブで相手のハネッコまたはネイティを倒し、さらに次の自分のターンにカプテテフが生き残っている確率は非常に高く、その場合先にサイドを2枚先行することができるため、カプテテフでスタートしたハンデを帳消しにすることができるのです。
2.ネイティは絶対安全圏以外で出さない
よくロストマーチミラー対策に呪いのおふだ
というカードを積んでいるデッキを見かけますが、そもそもそのカードはロストマーチの対策になっていません。
ロストマーチミラーを知り尽くしたプレイヤーは基本的に盤面をワタッコで埋めてネイティを出してこないため、4点のバラマキがほとんど意味をなさない状況になってしまいます。
また、呪いのおふだがロストマーチ対策として深く浸透している現在、対面の相手もネイティにお札を貼って殴ってくる、なんて状況も発生しかねないため、盤面にネイティを出すことにほとんどメリットが存在していないのです。
そのため、ネイティを出すのは相手がお札やコケコといったダメカンばら撒き系のカードを持っていない、もしくは発動しても絶対に負けないという確信がある時だけに留めましょう。
無闇にネイティを並べると、それが敗北に直結することすらあります。
以上、ロストマーチを研究していく中で僕が気づいたこと、考えたことをまとめてみました。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
質問はポール(@roki_pokeka)まで。