【 シティリーグ準優勝】
トロピカルインテレオン ~S1-S1+~
builder omasa
posted by ししゃも
はじめに
みなさんこんにちは。omasa(@omasa9973)です。ポケカメモではゾロペルフェロマッシの記事(https://pokemoncardmemo.com/deck/article2019-923/)以来、個人的な記事ではミミッキュ+ヤミラミLOの記事(https://note.com/omasa9973/n/nc46da65b0f15)以来です。
先日、2/23に行われたシティリーグシーズン3・エクストラレギュレーショントーキョーベイ会場に出場し、準優勝することができました。
本記事は、私が大会で使用したエクストラレギュレーションにおけるインテレオンVMAXを中心に据えたデッキの紹介記事になります。
環境考察と使用デッキ選定
大会で使用するデッキを決める上で最も重要なのが環境考察です。
平たく言えば、「対戦相手が何を使ってくるのか?」です。
昨年末に行われたCL愛知~シティリーグシーズン2までのエクストラレギュレーションの環境考察は前回のポケカメモや私の記事に書いてあるので、この記事では割愛します(有料記事ですが、環境考察の部分は無料で読めます)。
ミミッキュ+ヤミラミLO デッキガイドと思考の過程 – note
カードプールは前回のシティリーグからVMAXライジングが追加されたのみであり、練習を開始した当初はそこまで大きな影響はないだろうというのがチームメンバーの共通見解でした。すなわち、レシゼク三神三鳥・ヤミラミLO・ウルトラネクロズマ・オーロットヨノワールの4強環境であるだろう、ということです。
VMAXライジングに収録されている目玉ポケモンはいずれもVMAXでしたが、エクストラレギュレーションにおいてVMAXポケモンの評価は高くなく、環境に参入することはないだろうと考えていました。その理由は、
①1進化である
⇒オーロットヨノワールの高速ハンデス展開に弱い
②最大HPが340以下である
⇒ウルトラネクロズマの170ダメージ連打+エネルギー破壊+特性ロックに対して弱い
の2点です。
VMAXというカテゴリ自体にあまり可能性を感じておらず、当初は新たな3種類についても深く考察することはありませんでした。
期待していた禁止改定は行われず、新弾のカードもめぼしいものがないと分かり、練習中にもぼんやりと4強のどれかを使うことになるのかなーと考えていました。
しかし、閃きは突然訪れます。
「インテレオンVMAX、強くね?」
インテレオンVMAXについて
スタンダードレギュレーションにおいてはハイドロスナイプがエネルギーをバウンスできることを利用してエネルギーテンポ・アドバンテージを獲得していくようなデッキも見られるようですが、ダブルドラゴンエネルギー、ピーピーマックス、ダークパッチなど、ワザを打つためのエネルギーを1ターンのうちに揃える手段が豊富なエクストラレギュレーションにおいてこの戦法は有効ではありません。
このポケモンを使うほぼ全ての理由はダイバレットに集約されています。
そもそもVMAXポケモンがなぜウルトラネクロズマに弱いのかというと、サイドレースで勝てないからです。非GXのみで構成されたウルトラネクロズマ相手にサイドを6枚取り切るためには6回の攻撃が必要となりますが、相手側がVMAX相手にサイドを取り切るために必要な攻撃回数はたったの4回です。単純計算で間に合いませんね。
ただしインテレオンVMAXの場合は話が変わります。ダイバレットのベンチ60ダメージをヤブクロンやダストダスに置いていくことにより2回の攻撃でサイドを3枚取ることができます。これが示すのは、4回の攻撃でサイドを6枚取り切れるということです。インテレオンVMAXはダイバレットというワザを持っている時点で、上の章で挙げたVMAXポケモンの弱点②を自然と克服できているのではないかと考えました。
また、ベンチ攻撃はヤミラミLOに対しても非常に有効です。この時点では具体的にデッキを組んではいませんでしたが、前回のシティリーグで自称・ヤミラミLOを世界一研究した身からするとヤミラミLOでこのポケモンを中心としたデッキに勝つのは難しいのではないかと感じました。
ここまでを頭の中で思考して、弱点①であるオーロットヨノワールへの回答を見出せれば大会で使用できるレベルのデッキになると考えデッキ調整をスタートしました。
デッキ調整
デッキの初期案は、特性がまんのかべを持つソーナンスをバトル場に置いて相手を妨害している隙にベンチでインテレオンVMAXを準備するデッキでした。
オーロットヨノワール相手はがまんのかべが非常に刺さるので、その間に準備を進めようという考えです。
結論から言うと、これは失敗デッキでした。理由は色々あるのですが、最大の理由はソーナンスでスタートできなかったときにデッキの中身が弱すぎることです。自身がソーナンスを使う都合上、シェイミEX・デデンネGXといった展開カードを採用しづらく、先攻でスタートがソーナンスでなかった場合にソーナンスを前に出すパーツを安定して手札に集めることは不可能でした。60枚の枠にあまりにも余裕がなく、単純に事故りやすいデッキだなという程度で終わってしまいました。
デッキ案のひとつはすぐにボツになってしまいましたが、今までのエクストラレギュレーションの経験からオーロットヨノワールのハンデスに対するアプローチがもうひとつあったのは不幸中の幸いでした。
それが、「リーリエのピッピ人形(もしくはみがわりロボ)+トロピカルビーチ+ブルーの探索」です。どこかで聞いたような組み合わせですね。そう、これは悪名高きヤミラミLOに搭載されているシステムです。
前回のシティリーグでヤミラミLOを研究していた際、このシステムがオーロットヨノワールに対して非常に強いことは理解していたので、自然とこの案に辿り着きました。その後オーロットヨノワールを含めた各種メタデッキと対戦・デッキ調整を繰り返し、4強と睨んでいたデッキ全てに有利がつく仕上がりになったと判断したため、本番で使用することを決めました。
デッキリストと概要解説
今回大会で使用したデッキリストです。
パッと見ても何が強いのか、どうやって勝ちにいくのか伝わりづらいと思うので、カード1枚ずつの解説の前にデッキ全体の目指すべき動きを説明します。
このデッキの基本的な動きは、「インテレオンVを壁にしながらベンチでインテレオンVMAXを2匹育て、相手にサイド8枚分の非効率な攻撃を強制しながら自分はベンチ攻撃により効率的にサイドを獲得すること」です。とりあえずこれだけ頭に入れておけば問題ないと思います。
このセオリーから外れるのは相手が守備寄りのデッキであるか、動き出しが手貼り3回よりも遅いデッキの場合です。具体的に言うとヤミラミLOやモクナシラフレシア、または相手が単純に手札事故を起こしている場合ですね。相手が悠長にしているのであれば、必ずしもサイドを先行させる必要はありません。こちらから攻め込みましょう。
個別解説
4 インテレオンV
3 インテレオンVMAX
今回のデッキで唯一採用されているポケモンです。ブルーの探索を使うために特性を持ったポケモンは採用できず、使えるポケモンにはかなりの制限がかかります。しかし、このデッキはインテレオンラインだけでやりたい動きが完結しているため、その弱点はあってないようなものです。
スタートしたインテレオンを捨てて後ろを育てなければならない・マリガントラブルを少しでも減らしたい関係でインテレオンVは最大枚数の4枚採用しています。
インテレオンVMAXはデッキのシステム上プラターヌで捨てなければならないという状況が起こりづらく、CLと違って回戦の少ないシティリーグでは極端なサイド落ちや偏った引きのリスクは受け入れられると判断して1枚減らして枠を空けました。
4 ダイブボール
このカードがなければ今回のデッキは成立しません。ブルーの探索はそのターンに使うカードを持ってくることがほとんどなので手札が増えづらく、ハイパーボールのような手札を捨てなければならないカードとは相性が良くありません。
たねポケモンだけで構成されていればネストボールで完結するのですが、進化先をサーチしたいVMAXデッキはネストボール+しんかのおこうのような形で割るか、リスクを受け入れてハイパーボールのような万能サーチカードを採用するか頭を悩ませることになります。
常にブルーの探索のみで展開できるわけではなく、前者の場合素引きしたときに欲しい方でなかった場合が非常に裏目で、特にオーロットヨノワールのような高速展開が求められる相手でそれが起きるのは致命傷です。
水ポケモンに対する万能サーチであるダイブボールはこれら全ての問題を解決できて、ポケモンの必要のない終盤にもノーコストでデッキを圧縮することができると良いこと尽くしです。素早くベンチポケモンを出したい、テンポよく進化したい、いずれの点を考えても文句なしの4枚採用です。
3 リーリエのピッピ人形
時間稼ぎ兼逃げ0のたねポケモンとして採用しています。オーロットヨノワール相手にゲームレンジを長引かせるのが当初の目的でしたが、アクアパッチのためにアタッカーを死に出しで前に出したくない・マオスイレンやグズマ、トロピカルビーチとのかみ合わせが良い点を鑑みてもこのデッキと非常に相性の良いカードです。
4 バトルサーチャー
初動に貢献できないため最初に組んだときは3枚に抑えていましたが、マオスイレンやオカルトマニアを少しでも狙ったタイミングで使いやすくするためにバトルコンプレッサーと合わせて4枚目を採用しました。今回の大会では初手にバトルサーチャーばかり引いて動けないことはありませんでしたが、サポート周りのシステムはまだまだ検討の余地があるかもしれません。
4 アクアパッチ
ダイバレットは3枚のエネルギーを要するので、高速環境のエクストラレギュレーションでダメージレースについていくためにはエネルギー加速は必須です。モスノウやカメックスはブルーの探索と同居できないため、このカードに頼ることにしました。
ワザを打つタイミングをコントロールするこのカードは、サイドに落ちたり必要なときに引けなかったりしたときに勝敗に最も大きく影響するため、最大枚数の採用としました。
1 カウンターキャッチャー
1 カウンターゲイン
インテレオンV→VMAX→VMAXとゲームが進行した場合、相手のサイドが1枚のタイミングを通過するためカウンター系のカードはこのデッキと非常に相性が良いです。
カウンターゲインは実際につけるエネルギーが少なくて済むため、まんたんの薬と相性が良いということもつけ加えておきます。
1 フィールドブロアー
タッグチームGXに闘魂のまわしをつけられるとダメージ計算が狂ってしまうことがあるので採用しました。
他のピン差しのグッズについてもそうですが、1枚のみの採用であってもブルーの探索をメインに据えることで狙ったタイミングで打つのは難しくありません。
1 いれかえフロート
ブルーの探索から入れ替えの選択肢が欲しかったので、ポケモンいれかえのほぼ上位互換となるこのカードを採用しました。
1 ねじれたスプーン
オーロットヨノワールのペイルムーンGXと、ウルトラネクロズマのほろびのかがやきの追加効果を防ぐために採用しました。
1 ちからのハチマキ
カプ・テテフGXや、ダークライGXのようなHP170~180のポケモンをダイバレットで倒せると取りうるプランが広がると感じた場面が多かったため採用しました。こだわりハチマキとどちらにするか迷いましたが、HP190のGXポケモンが出てくる可能性とねらいうちの60点が活きる可能性を天秤にかけて、後者の方があり得るだろうと判断しました。
1 まんたんのくすり
主にスカイレジェンドGXにより無理やり後ろで育てているVMAXを圏内に押し込んでくるパターンの対策で採用しました。
進化メインであるこのデッキでは、相手がベンチ攻撃をしてくると分かっていてもポケモンを出さずに持っておくプレイができません。プレイングではなく構築段階での対策が必要だと判断して1枚枠を割くことにしました。インテレオンVMAXはHPが非常に高いため、エネルギーリソースにさえ気をつければ単純な殴り合いで有効に使える場面もあります。
2 はかせのてがみ
普段であれば、ブルーの探索からエネルギーに触るため…で説明が終わるカードですが、このデッキにおいてエネルギーを手札に2枚加えるという効果はそれ以上の価値があります。
プラターヌ博士と組み合わせることによって、そのターンの手貼り+アクアパッチ用のトラッシュのエネルギーの両方を確保できるのです。プラターヌとのシナジーから素で引きたいカードなので、2枚の枠を取っています。
また、トレーナーズの総数を増やすことは、トレーナーズポストとの相性も意識しています。
2 トレーナーズポスト
少しでも序盤の動きを安定させるために採用しました。基本的に序盤に欲しいのはポケモンとエネルギーですが、ポケモンはダイブボールから、エネルギーはてがみやパッチから触ることができます。
ポケモンとエネルギーに対してもトレーナーズ経由でアクセスできることから、デッキの全てのカードに対して狙ったタイミングそれを引ける確率を少しずつ引き上げているというイメージです。
ポストやダートじてんしゃといったカードの採用枚数については感覚的で難しい部分なのですが、サポートをより分厚くするよりは1ターンに複数のアクションが期待でき、デッキの圧縮が進みやすいため相手の手札干渉に強くなると考えています。
1 パソコン通信
アクアパッチが早い段階で複数手札に来てしまったときに水エネルギーを捨てられるカードが必要なことは調整の早い段階で分かっていたので、手札を捨てられるカードの中で最も強いカードであるパソコン通信をACESPEC枠として採用しました。
同じく手札を捨てられるACESPECとしてダウジングマシンも選択肢に挙がりますが、早期でのアクアパッチ使用の効率化という観点ではプレイしたときの選択肢が少なく不適当です。
インテレオンVMAXは一度動き出すと試合が終わるまでかなり早いのでロングゲームを意識したカードよりは手札・ボードに単体で還元されるカードの方がマッチしていると思います。
1 バトルコンプレッサー
手札にアクアパッチが来てしまったときのブルーの探索からの選択肢その2です。単純に山札を圧縮して欲しいカードに辿り着きやすくする動きは、テンポよく攻撃し続けてサイドを取り切るプランのときにも重要です。
バトルサーチャーと併せて、オカルトマニアやマオスイレンなど枚数を積めないサポートを狙ったタイミングで使いやすくする役割もあります。
3 プラターヌ博士
4 ブルーの探索
2 N
展開用のサポートカードです。最終的には感覚的に決めましたが、練習を繰り返してトロピカルビーチ・トレーナーズポストと合算して展開用のサポートの枠は9枚あれば良いだろうと判断しました。
最初はプラターヌ博士とブルーの探索が4枚ずつでNは1枚にしていましたが、相手のサイドが1枚を通過する試合展開でのNは強力無比であり、サイド落ちのケアでプラターヌ博士の枠をひとつ譲りました。
2 グズマ
ベンチとバトル場を同時に攻撃できるワザをメインとする以上、狙った場所を攻撃できるカードはサイド取得効率化のため必須です。とはいえ序盤から枚数が必要な訳ではないのでサイド落ちケアで2枚の採用にとどめ、バトルサーチャーを増量することで汎用性を持たせることにしました。
1 マオ&スイレン
VMAXのHPの高さを活かせるカードです。エネルギーを失わず回復できる他リーリエのピッピ人形との相性も良く、このデッキとは非常にマッチしたカードだと思います。
1 オカルトマニア
モクナシラフレシア相手に猶予を生み出すため、また特性依存のデッキ相手に強い動きをさせないために採用しました。
手札が増えづらいので連打するのは難しいですが、カプ・コケコプリズムスターやミロカロスなどここ一番で効果を発動させなければバリューを大きく落とすカードをケアできるのはゲームプランの見通しが立ちやすくなります。ベンチバリアのミュウやもぐるヒンバスにベンチダメージを与えられる点も強力です。
3 トロピカルビーチ
ブルーの探索に手札を増やす選択肢を持たせるカードです。オーロットヨノワール相手は素で是非とも引きたいカードであり、万が一サイドに落ちるとブルーの探索がナイトウォッチャーの返しに外れカードになってしまい非常に不利な戦いを強いられてしまうため多めの3枚採用としました。
1 うねりの大海
ほろびのかがやきの170ダメージ×2=340ダメージであり、30点ずらせるとインテレオンVMAXが2回攻撃を耐えられるので採用しました。デデンネGXなど、相手のポケモンが回復の対象になれる点には注意しましょう。
8 基本水エネルギー
ワザを使うために必要なカードです。単純に考えるとインテレオンVMAXを2匹用意するためには6枚あれば良く、さらにカウンターゲイン・アクアパッチ・はかせの手紙による実使用枚数の変動もあります。
しかし、実物が少なすぎるとヤミラミLOなどのエネルギー破壊戦術相手に動けなくなってしまうためある程度余裕を持った枚数を確保することにしました。
不採用カード解説
今回はデッキの調整期間が1週間程度しかなく全ての可能性を網羅できたとは言い難いのですが、実際に試したカードや採用しようと考えたカードを書いていきます。
ダウジングマシン
パソコン通信の項を参照。
あなぬけのヒモ
相手に選択肢を与えるカードであり、有効に活用できる場面が少なかったです。カウンターキャッチャーの方が総じて優秀だと考えました。
ポケモンレンジャー
オルタージェネシスGXを使われたということはすなわちスカイレジェンドGXを打たれないということであり、かつ攻撃されていないターンがあるということでもあります。このような展開ではダメージレースで優位に立てると練習で分かってきたのでわざわざ採用する必要もないと判断しました。
相手の目線からするとレンジャーが入っているかどうかは分からず、正体不明のデッキ相手にオルタージェネシスGXを打つのは心理的にそもそも難しいだろうというのもあります。
カプ・レヒレGX
GXワザの権利が余っているので時間稼ぎができればと思いましたが、HPが170しかないためウルトラネクロズマ相手にスタートしたとき1ターン余裕がなくなるのが致命的だと判断して不採用。グレートキャッチャーの対象になってしまうのも低評価でした。
カウンターエネルギー
サーチ手段がないため机上論カードになってしまいます。カウンターエネルギーカウンターゲインでダイバレットを使えますが、サイドが追いついてしまったときに続けてワザを使うハードルが高く、結局カウンターエネルギーに頼らずワザを使うのとあまりやっていることが変わらないと感じる場面が多かったです。
アクアパッチ・はかせのてがみの対象にもなれず、ザオボーや改造ハンマーの対象になってしまう点も弱いことからこのデッキとは合っていないと思いました。
ウィークガードエネルギー・じゃくてんほけん
雷のアタッカーを擁するデッキは少ないと考えていたので不採用です。
サイレントラボ
オーロットヨノワールに入っているヒンバスをねらいうちで倒せるようになります。また、相手にサイドを取らせた終盤にNをあわせられると解決札を引かれる可能性を減らせると思いました。
思いついたのが直前だったため、そこまでで仕上がっていた60枚をいじるリスクの方が高いと考え採用を見送りました。入れるならトロピカルビーチを減らすことになりそうです。
あとだしハンマー
ブルーの探索からサーチできるので検討しましたが、このデッキは序盤の壁のインテレオンVが殴られてもあまり痛くなく、それよりはこちらのベンチをしっかり準備できるかどうかの方が重要なため不採用としました。
フラダリ
グズマと枚数を割ってバトルサーチャーから選べるようにしようという案が出ましたが、入れ替えたいときにグズマがないデメリットの方が大きくなると判断して不採用としました。終盤のベンチには何もいないかリーリエのピッピ人形のみいるかなので、入れ替えのデメリットもあまり気になりませんでした。
安定感と再現性
デッキの紹介が終わったところで、このデッキの明確な長所をひとつアピールしておこうと思います。それは「安定感」です。
ポケモンカードにおいて手札事故は勝敗を決定づける無視できない要因であり、手札事故で負けてしまった・相手の手札事故のおかげで勝ったという経験は誰にでもあると思います。何をもって事故を起こしづらい・安定感があると言うかは難しい問題ですが、私は「再現性」がその重要な要素であると考えています。
どんなデッキも序盤にやりたい動きがあると思います。例えば三神ザシアンであれば「2ターン目にオルタージェネシスGXを使う」、超ミュウミュウであれば「マーイーカを場に出す」などです。手元にポケカのデッキがあるのであれば、頭の中で理想的な序盤を思い浮かべて、1人回しでそれができるか確かめてみてください。10回中何回その動きができたでしょうか。100回やったら何回できますか?その確率が私の言う「再現性」です。
再現性を高める方法は大きく2つに分類できます。分かりやすいのは序盤に欲しいカードを沢山採用して手札に来やすくするやり方です。例えばマーイーカを場に出したいならボールを沢山採用する、といった感じですね。
もうひとつの方法が、「序盤の理想的な動きの要求値を下げる」ことです。序盤に必要なカードが少なければ、手札に揃う確率は当然上がります。このデッキで序盤にやりたいことは、「ベンチにインテレオンを出す」「エネルギーをつける」の2つだけです。スタートが100%インテレオンVなので、「インテレオンVを壁にする」という要求は何もせずとも達成できています。さらに言えば、最悪エネルギーをつけるのは後からでも間に合います。
シェイミEXやデデンネGXを採用できないブルーの探索を用いるデッキで、序盤に大量のカードを手札に引き込むことはできません。そのため、今回は序盤の要求値を下げるというやり方でデッキの安定性を担保することにしました。
このデッキは3人で構築をシェアして大会に出場し、合計18試合を戦い抜きました。その中で手札事故を起こして負けてしまった試合は1試合のみです。正直なところ1試合でもそういった試合が起こってしまったことを私自身としては後悔していますが、トータルの手札事故率で見ればかなり優秀な数字ではないでしょうか。
ポケモンカードにおける手札事故に頭を悩ませている人は、沢山ドローするだけが安定感に繋がる訳ではないことを頭に入れてデッキを組んでみるのをおすすめします。
サイドのとり方
個別のデッキとの戦い方を記載する前に、サイドプランの大まかな方針を説明します。
3+3プラン
主な相手:タッグチームGX軸デッキ
160+60+60=280なので、カウンターキャッチャーなどを活用して2匹のタッグチームGXを倒すことを狙います。うまく立ち回れれば3回の攻撃でサイドを取り切ることができます。
2+4(2+2) or 3+4(2+2)プラン
主な相手:GX/タッグチームGX/V軸のデッキ
相手がシェイミEXやデデンネGXを多用して展開するデッキの場合、最初に2枚以上のサイドを取るタイミングでベンチのシェイミEXに60ダメージを乗せておくことで、残りの4枚を一度の攻撃で取り切ることができます。
3+2プラン
主な相手:タッグチームGX+ミロカロスのデッキ
ミロカロスによるサイド献上があるデッキ相手では、前にいるタッグチームGXと後ろにいるシェイミEXを倒すだけで勝てるので必要な攻撃回数が2回のみで非常に楽です。
1+2(1+1)+1+2(1+1)プラン
主な相手:ウルトラネクロズマなどのGXやVが出てこないデッキ
例えばウルトラネクロズマが相手なら前に出てきたウルトラネクロズマ×2・ダストダスへの60×2で2回の攻撃でサイドを3枚獲得できます。
非GXのみで構成されているデッキのアタッカーは基本的に160ダメージで気絶するはずなので、前に出てこないポケモンに60を乗せていきましょう。前に出てくる可能性の高いポケモンに60ダメージを乗せると、グズマなどを使わない限り攻撃回数を増やす必要が出てしまうため注意が必要です。
各デッキとの戦い方
エクストラレギュレーションのデッキタイプはあまりに多く全ては書ききれないので、4強と睨んでいたデッキ達のみ記載しておきます。
vsヤミラミLO
キーカード:基本水エネルギー/アクアパッチ/入れ替え系のカード
ねらいうち・ダイバレット共にヤミラミLOが苦手とするベンチ攻撃なので非常に有利に試合を進められます。基本的にスタートしたインテレオンにエネルギーをつけていき、3エネルギー溜まったら進化してダイバレットを使いましょう。
相手はエネルギー破壊で対抗してくると思うのでリーリエのピッピにんぎょう+アクアパッチ+入れ替え手段で攻め手を継続させていきます。ダイバレットを使い始めると相手はたね切れ負けを防ぐことにリソースを割かなければならず、その場合こちら側のリソースを削ぐ妨害札を使う余裕がなくなります。たね切れかサイド取り切りか、いずれにせよヤミラミLO側のリソースがなくなって勝てると思います。注意すべき点は余計なポケモンを出さないことくらいです。
vsオーロットヨノワール
キーカード:ねじれたスプーン/トロピカルビーチ/リーリエのピッピ人形
サイドプラン:3+2プラン
ミラーを考えると先手型の方が多いと思われるので1ターンはサポを使える猶予があります(ここまで書いていませんでしたがこのデッキは一貫して後手選択です)。プレイングと言えるか怪しいですが、最初のターンにポケモンとピッピ人形を引いたぶんだけ並べて、ナイトウォッチャーの返しに何かを引けることを祈ります。
インテレオンVがナイトウォッチャーを1回耐えて、VMAXは2回耐えられるのでリーリエのピッピにんぎょうを含めて他のデッキに比べて時間的猶予は大きいと思います。加えてトップドローの当たりの枚数も多いので練習でも高い勝率を出せていました。攻撃に行くときはねじれたスプーンをつけてペイルムーンGXを受けないようにできればより盤石です。
ミロカロスによるサイド献上があるはずなので必要な攻撃回数が2回で抑えられる可能性が高いのも他のデッキと違い要求値が下がる大きな要因です。ねじれたスプーンやダメカンの乗ったシェイミEXをトラッシュできるフィールドブロアーの枚数には注意しましょう。
vsレシゼク三神三鳥
キーカード:ちからのハチマキ/まんたんのくすり/マオ&スイレン
サイドプラン:3+3もしくは2+4(2+2) or 3+4(2+2)プラン
いわゆる初見殺し要素のあるデッキなので相手がベストなプランを立てるのはほぼ不可能と考えており、それ込みで有利なマッチアップとなります。ただ、4強の中で最も苦しいマッチアップなのは間違いありません。攻撃力・速度に非常に長けたデッキなので、こちらも遅れを取らないようしっかりと攻撃していくことが重要です。
相手の使うGXワザによってゲームプランが分岐します。
・オルタージェネシスGXの場合
相手がまだサイド6枚のときにオルタージェネシスGXを使ってきた場合は、インテレオンVを犠牲にする通常のプランは通らずに2匹のインテレオンVMAXでサイド4+4を押しつけます。この場合、アルティメットレイとトリニティバーンで戦われるのが最も難しい展開になります。三鳥のHPが300で160+60+60で倒すことができないため、ちからのハチマキがサイドに落ちている場合は絶対に三鳥にダメカンを乗せてはいけません。他のタッグチームGXかシェイミEXにダメカンを乗せていきプランを組み立てましょう。
・スカイレジェンドGXの場合
この場合のキーカードはまんたんのくすりです。ベンチで育てているインテレオンVMAXに乗ったダメカンをテンポよく回復できればダメージレースで上回れるはずです。まんたんのくすりがサイドに落ちている場合は良いタイミングでマオ&スイレンを使う必要があり、数ターン先を見据えて準備する高度なプレイが要求されます。
vsウルトラネクロズマ
キーカード:ねじれたスプーン/いれかえフロート/うねりの大海
サイドプラン:1+2(1+1)+1+2(1+1)プラン
非常に有利なマッチアップです。必要な攻撃回数は4回なので、インテレオンVMAXが先に攻撃できた場合は相手のしあわせタマゴを剥がすなどの妨害行為は一切行う必要がありません。自分の攻め手を継続させるためのパーツをかき集めることに専念しましょう。
VMAXが先に攻撃されてしまった場合は、回復カードを駆使して相手に5回以上の攻撃を強要しましょう。現在ほとんどのウルトラネクロズマは闘魂のまわしやどくさいみん光線のような火力強化パーツがしあわせタマゴに置き換わっており、30の回復量には見た目以上の効果があります。
おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
今後記事を書くことがあるかは分かりませんが、今回の記事の感想や要望など教えていただければ幸いです。
Twitter @omasa9973