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2018-05-13

京都優勝イトウシンタロウ選手インタビュー(後編) ~大会当日のプレイング~

posted by ししゃも

4/21(土)に開催されたポケモンカードチャンピオンズリーグ京都大会。
マスターカテゴリで参加者912名の頂点に立ったイトウシンタロウ選手にインタビューを行いました。

WCS2016の世界チャンピオンであり、今年も国内ランキング1位のイトウ選手。
後編では大会当日の試合について振り返ってもらいました。

 

予選

――予選の成績は7勝2敗。負けた2試合のうち、第3戦のウルトラネクロズマミラーはどういった試合でしたか?

イトウシンタロウ選手(以下イトウ):3試合目のミラーは後攻で、僕のルナアーラ◇が相手のフォトンゲイザーできぜつしました。そこそこ相手はしっかり動いていて、しっかりカラマネロも立っているという状況。パラレルシティがこちらに向いていてルナアーラ◇を捨てるしかなく、しんどいスタートから均等に進んでいって負けました。返せるタイミングを見計らいNで相手の手札を3枚にしながらイクリプスムーンGXも撃ったのですが、グズマで後ろを倒されてしまいました。そこに賭けるしかなかったので、それで負けたのであれば仕方ないかなと思います。

――第9戦の対ニンフィアはどのような試合だったのでしょうか

イトウ:最初のプランはあかつきネクロズマGXとカラマネロを2体ずつ置き、サイレントラボだけ割れるようにしておくというもの。エネルギーを割られたらサイコリチャージ+インベイジョンを繰り返し、ずっとやみのせんこう120ダメージで戦うという方向で考えていました。しかし最初に山札を見たときにあかつきネクロズマGXが1枚しかおらずそのプランが取れない。エネルギーが手札にたくさんあって少し止まっていたのもあり、しばらく様子を見ようと思い超エネルギーを付けてエンドを繰り返します。相手はフレア団のしたっぱであかつきネクロズマの超エネルギーを割ってくるので、マジカルリボンで何を持ってきているのか考えながらプレイしてました。
相手は後ろのイーブイを絞ってとにかくグズマを使わせないようにしようというプランだったので、手札に全部のカードを揃え、1発でニンフィアGXを倒せば勝ちになる。全部揃うまで待とうと思いドローエンドを繰り返しましたが、揃う前にこわいおねえさんで圧がかかり始めてしまいました。そのタイミングで足らなかったのが鋼エネルギー。盤面にカラマネロカラマネロあかつきネクロズマGXと、手札にウルトラネクロズマGX、こだわりハチマキ、かるいし、パラレルシティ、Nがありました。そこでこわいおねえさんを使われ始めてしまったので、前のあかつきネクロズマGXにかるいし、ベンチのウルトラネクロズマGXにこだわりハチマキ、パラレルシティで相手のフラダリラボを割ってN。その6枚で鋼エネルギーを引けば勝ちだったのですが引けませんでした。
しょうがないなと思いながら続けてそのまま僕の山札が2枚になってしまい、ロケット団の工作を使われました。そこで1回でも表が出れば負けだったのですが、2回とも裏。自分の番が回ってきて、前のニンフィアGXを倒せれば勝ち。しかしニンフィアGXのHPは200、自分のウルトラネクロズマGXはこだわりハチマキとビーストエネルギーをトラッシュされている。鋼エネルギーは付いていたのですがサイコリチャージからの超エネルギー2枚トラッシュで180までしか出ない。残り時間も少なかったので仕方なくカプ・テテフGXのエナジードライブで攻撃しましたが、次のターン相手のロケット団の工作で負け。
しかし、後から考えると手札から超エネルギーを付けることができたので、ウルトラネクロズマGXのフォトンゲイザーで260ダメージを出すことができニンフィアGXを倒せたはずでした。対ニンフィアGXでは基本的に鋼エネルギーを付けて攻撃するという流れになるので、手札から超エネルギーを付けて威力を上げるという発想が抜けていたんです。かなり勿体ない負け方をしましたし自分でもそのミスをしたことがショックでした。

――ミスをしたということは集中力が落ちていたのもある?

イトウ:8戦やった後の9戦目だったので集中力は落ちていました。もっとしっかり体力を付けないといけませんね。

――では、勝った7戦の中で印象に残った試合はありますか?

イトウ:まずは予選の1戦目ですね。1戦目は行進との試合です。僕が後攻でサイドレース的にもちょっとずつ不利になっていく試合。ミュウ、ルナアーラ◇、カラマネロを使ってできるだけサイド差が付けられないように進んでいき、相手のサイドが3枚のタイミングでNと併せてイクリプスムーンGXを使いサイドレースの逆転を図りましたが、それも失敗。シェイミEXのセットアップからフラダリを引かれ、後ろを倒されてしまいます。その後もう1回Nを使って止まってくれれば勝てるというところで、ダブル無色エネルギーを引かれず勝つことができました。
2戦目のサーナイトGX戦も印象に残っています。2ターン目に手札の枚数を聞かれて、僕は3枚でした。そこでこわいおねえさんを使われ、手札が0枚になってしまいます。ただ、こわいおねえさんを使ったタイミングで相手の手札も0枚になった。0対0の勝負になったんです。ただ相手の場にはサーナイトGXが1匹いたので、その1匹にサイドを3枚取られてしまいました。しかしそこでセンパイとコウハイを引くことができた。相手のサイドがちょうど3枚だったのでビーストリングを使え、前のサーナイトGXは倒すことができました。ここでサイドからサポートを引けなければまた止まって負けてしまいますが、運よくNを引けたのでひっくり返すことができました。

 

決勝トーナメント

――決勝トーナメントの試合についてお聞きします。初戦のウルトラネクロズマミラーはどんな試合でしたか?

イトウ:1戦目はずっとサポートが手札になくて苦しい試合でした。1ターン目にプラターヌ博士を使った後の手札が、プラターヌ博士Nグズマグズマサーチャーサーチャーみたいに全部サポート関連になったんですね。これでプラターヌ博士は使えないかなと思いNを使ったのですが、そしたら今度はあかつきネクロズマ×2マーイーカ×2超×2みたいになり、サポートが何も来ませんでした。仕方なく前のミュウでエンカウントを使いカプ・テテフGXを持ってきたのですが、相手にパラレルシティを使われてベンチに出せない。それでサポートを使えない状況が続いたのですが、トップとサイドから必要なカードを引くことができたおかげで勝負ができました。
相手のベンチが全部埋まっており、ウルトラネクロズマGXを出せない状態だったので、相手の最高打点があかつきネクロズマGXの120で固定されていました。なので安心してルナアーラ◇をベンチで育てることができたんですね。相手のボードが120までしか出ないので、ルナアーラ◇を1発で倒すことができない。ルナアーラ◇にエネルギーを付け、サイコストームからどうにかゲームをひっくり返すことができました。

――2試合目のルガルガンゾロアーク戦はどうでしたか

イトウ:後攻で、1ターン目の手札にアズサがあって、だいぶ迷ったんですけどアズサを使わずプラターヌ博士を使いました。ルナアーラ◇でスタートして、プラターヌ博士で超エネルギーを2枚捨てられていたのでフルムーンスターでウルトラネクロズマGXに超エネルギーを付けることができました。それで相手のゾロアークGXを1発で倒せるという状況は作れていたのですが、そしたらマインドジャックでルナアーラ◇が倒されてしまう。そのマインドジャックはどうしても無視できないのでそこにフォトンゲイザー180を使うことになってしまいました。
しんどい試合になって、そこでライオットビートでウルトラネクロズマGXが倒されたらほぼほぼ負けだろうなと考えていましたが何とか170ダメージで20耐えた。次のターンにそのゾロアークGXをフォトンゲイザーで倒せれば良かったのですが、プラターヌ博士で7枚引くものの倒せない。仕方ないのでエナジードライブで80与えますが、相手のライオットビートでそのカプ・テテフGXも倒されてしまう。しかし次のターンにビーストエネを付けたフォトンゲイザー130でゾロアークGXを倒しながらパラレルシティを貼ることができた。どうにか1ターン取れればと考えていて最後に1ターン返ってきてどうにか勝つことができました。

――準決勝のガマゲロゲジュナイパー戦はどうでしたか

イトウ:ガマゲロゲジュナイパー戦はルナアーラ◇が1番大事な試合です。
プランは2通りあって、1つはあかつきネクロズマGXを2枚使うパターン。あかつきネクロズマGX2匹にエネルギーを付けていき、やみのせんこう120でずっと圧力をかける。そして2匹で上手くダメージを吸えたらカプキュアーGXで回復してルナアーラ◇を作る。もう1つはあかつきネクロズマGX1枚のパターン。その場合は1枚目のあかつきネクロズマGXで戦いながら、すぐルナアーラ◇を作ってルナアーラ◇で殴りにいく。どちらにしてもルナアーラ◇で殴りに行く試合です。最初の1ターンだけ相手が止まっていて、そこもあって理想通り動いて勝つことができました。

 

決勝戦

――続いて決勝戦について伺います。まずは後攻1ターン目のアズサについて、何を出すか迷っていましたがどういうことを考えていたのでしょうか?

イトウ:まずマーイーカを2枚置くのは確定。その後の3枚目で悩みました。相手がゾロアークダストだったので、最初の考えはミュウを置いて先にダストオキシンを立ててもらうというプラン。しかし山札を見たらフィールドブロアーがサイドにあったので、ダストオキシンをさっさと立てられてしまうとそのフィールドブロアーに触れないまま負けてしまう。なのでミュウを持ってくるのはやめようとなりました。
その代替案として持ってこられるカードの選択肢はルナアーラ◇、カプ・テテフGX、あかつきネクロズマGX、ウルトラネクロズマGX、マーイーカ3枚目。
ルナアーラ◇はダストダス系統のデッキにはとても強いのですが、ゾロアークGXには1発で倒されてしまいます。2ターン目にゾロアークGXになって殴ってくる可能性もある状況。こちらはアズサから入ったので、2ターン目にゾロアークGXに前に来られてしまうとおそらくそのゾロアークGXを倒すことができない。ルナアーラ◇を前に出すというプランはあまり良くないなとなりそれも無しにしました。カプ・テテフGXは元々手札にあったので必要になったらそちらを出そうと思いそれも無し。あかつきネクロズマGXはライオットビートで倒されてしまうポケモンが増える。1枚は手札にも持っており、途中どこかであかつきネクロズマGXを出してかるいしを貼り、インベイジョンにげるというアクションをする。そのためにも山札に残っていてほしい。
それで消去法的にマーイーカかウルトラネクロズマGX。マーイーカの3枚目を出し、にげてマーイーカを前に出してエンドする。もしくはウルトラネクロズマGXの2枚目を出してそちらにエネを貼ってエンドする。どちらか迷ったんですけど相手の前はシェイミEXだったんですね。なのでスカイリターンでマーイーカが倒されずに残るパターンもある。こちらのデッキにはカラマネロが3枚入っていたのですが、そのうち1枚がサイドに落ちていた。マーイーカを3枚出してスカイリターンをされるとマーイーカが3枚ボードに残ったままになる。ゾロアーク戦ではゾロアークGXでしかウルトラネクロズマGXを倒せないってことを意識するのが大事、つまりマインドジャックでウルトラネクロズマGXを倒されないことが大事です。なのであまり機能しないポケモンをボードに置きたくないというのがあり、消去法的にウルトラネクロズマGXを出しました。

――続いて2ターン目。相手はスカイリターンで前のウルトラネクロズマGXに60ダメージを与え、カプ・テテフGXを前に出しました。こちらのターンで、そのカプ・テテフGXを倒すことはできなかったのでしょうか?

イトウ:あえて倒さなかったんです。あのターンプラターヌ博士でカラマネロが2匹立ち、さらにビーストエネルギーとかるいしも引いていた。なので前のカプ・テテフGXを倒すことはできたのですが、倒しにいくのは良くないと判断しました。
例えば前のウルトラネクロズマGXにかるいしを付けて、後ろのウルトラネクロズマGXにビーストエネルギーを付けて前に出てフォトンゲイザー210をカプ・テテフGXに使うとする。相手はベンチのゾロアークGXにダブル無色エネルギーが付いており、スカイリターンでシェイミEXとこだわりハチマキが手札に戻っている。これを考えると、ほぼほぼ間違いなく前のウルトラネクロズマGXはライオットビートの190ダメージできぜつします。相手のベンチにはヤブクロンが出ていたので、全て上手くいけばダストオキシンまで立つことが考えられる。ここで突っ込んでいくと次の相手のターンが終わった時の状況は、フィールドが190ダメージ出る状態、HP210のゾロアークGXがいる。さらにこちらはビーストエネルギーを失っていて後ろのウルトラネクロズマGXにかるいしが付いてしまっており、こだわりハチマキを付けられない。これはだいぶ返せない状態になってしまうんですよ。
それに対してサイコリチャージ2回で攻撃せずに番を返すと、前の60受けたウルトラネクロズマGXはライオットビートで倒されるでしょう。さらにダストオキシンまで立ったとしても、こちらのベンチには超超と付いたウルトラネクロズマがいてビーストエネルギーが手札にある状態。であれば、ゾロアークGXを倒しながらNを使うことができる。手札が6枚と4枚で、向こうはダストオキシンが立ってゾロアークGXを失ったという状況を作ることができる。この比較をして、カプ・テテフGXを倒さない方がいいんじゃないかと思いました。無理にカプ・テテフGXを倒して劣勢に転がるよりは、1ターン待った方がいい。
グズマから後ろのウルトラネクロズマGXが倒されることは少し想定しずらかったのもあります。手札が多くダブル無色エネルギーとこだわりハチマキとシェイミEXを持っていて、セットアップしてもおそらく3枚くらいしか引けない。そこでたねポケモンたねポケモングズマみたいなことはそんなに起きない。なので後ろのウルトラネクロズマGXを倒されることはない。あったとしても触られる程度で、きぜつさせられることはない。そこがルガゾロとゾロアークダストの差でもあるのですが、1ターン待つことができました。

――続く3ターン目。前のウルトラネクロズマGXがライオットビートで倒されたあと、イトウさんはセンパイとコウハイを使いました。そこでパラレルシティと何かを持ってきましたが、何を選んだのでしょうか。

イトウ:相手にNを使われて前のターンに想定していた自分のNは無くなってしまったのですが、センパイとコウハイが来ていました。相手のベンチが並んでいたのでパラレルシティを持ってくるのは確定、ビーストエネルギーは元々持っていたので前のゾロアークGXを倒すこともできる。
なのでパラレルシティの後に何を持ってくるか迷いました。本当はフィールドブロアーが欲しかったのですがフィールドブロアーは山札に無い。レスキュータンカを持ってこようと思ったらそれも山札に無かった。レスキュータンカでウルトラネクロズマGXをベンチに置いてそこにサイコリチャージするのが理想だったのですがそれも出来なかった。であればマインドジャックのハードルを上げたかったのでベンチをむやみやたらに置きたくない。ターゲットホイッスルが入っているかどうか分からなかったので、ベンチはカラマネロカラマネロカプ・テテフGXの3枚でキープしたかった。ベンチを4枚出すとターゲットホイッスル+こだわりハチマキでマインドジャックのダメージが190になってしまい、ウルトラネクロズマGXが倒されてしまいます。
考えていたのは次のアタッカーが必要だなということ。前のゾロアークGXは倒せるけれど、次のゾロアークGXがやってきた時に戦える札が欲しかった。パラレルシティでベンチを絞れば最終的にカプ・テテフGXが1回戦えると思っていて、エナジードライブ2回でゾロアークGXを倒すのかなと考えていました。そこでもう1つの選択肢としてルナアーラ◇を持っておきたいと思い、ルナアーラ◇を持ってきました。後の選択肢を増やすという意味ではミステリートレジャーを持ってきた方が良かったんですけど、ゴミなだれの打点を最小限に抑えたかったので現物のポケモンを持ってきました。もっと考えれば別の回答があったかもしれないとも思いますが、そこは時間制限との兼ね合いもあり、その場で思い付いて正しそうなものを持ってくるのは間違いじゃないかなと思います。

――4ターン目は2匹目のゾロアークGXのライオットビートを耐え、そのゾロアークGXをフォトンゲイザーで倒しました。続く5ターン目に相手はエリートトレーナーを使うもウルトラネクロズマGXを倒すことができず、めつぼうのひかりGXで勝ちになった。では、もしウルトラネクロズマGXが倒されていたらどういうプランで戦いましたか?

イトウ:前のウルトラネクロズマGXが倒されていたらかなりしんどかったですね。サイドからフィールドブロアーは拾えたのですがレスキュータンカは無く、ウルトラネクロズマGXを出すことができない。Nを使いながらエナジードライブで戦うしか無かったです。最後は運が良かったですね。

――では最後に、6月のジャパンチャンピオンシップスに向けて一言お願いします。

イトウ:僕は世界チャンピオンになったことはあっても日本チャンピオンになったことはないので、日本チャンピオン目指してがんばりたいと思います!

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